12世紀中葉に生まれ15世紀末に姿を消した珠洲古窯。その後400年あまりの時を経た1979年、郷土を愛する多くの人の熱意に後押しされ、珠洲焼が現代に蘇りました。
当初一人から始まった再興の歩みは、その後着実に仲間を増やし、1988年に設立された珠洲焼創炎会は現在37名の陶工によって構成・運営されています。
しかし、再興から45年目の2024年1月1日に発生した能登半島地震は、窯や工房に壊滅的被害をもたらし、私たちに再び大きな試練を与えました。
被災し廃業を余儀なくされた陶工、やむなく市外への転居を選択した陶工もいますが、多くの陶工は珠洲の地に留まって再建の道を歩み始めています。それは、何より国内外から寄せられた珠洲焼復興への温かいご支援とご声援があったからこそ、震災後ほどなくして気持ちを前へ向けることができたのです。
大地が波打つという想像を絶する体験を経た今、私たちは土を焼くという原点に立ち返り、先達から受け継いだ珠洲焼を次の世代へと繋いでいく責務を、改めて強く感じています。
それは、常に古陶の魅力に学び、世の流行りに安易に迎合することなく、真摯に土と向き合う姿勢を忘れず、珠洲の地から珠洲焼を発信することだと思っています。
これからの工芸の役割は産業の創出ではなく、それが生まれる地域文化を創造し発信することだと強く感じています。
私たち創炎会は、大量生産、大量消費、大量廃棄をよしとする時代の中で、工芸の役割は何かを絶えず自らに問い、震災からの復興の歩みとも手を携え、珠洲焼を通した地域文化の発信に今後も真摯に取り組んでまいります。
あらゆる分野で「コストパフォーマンス(コスパ)」や「タイムパフォーマンス(タイパ)」が求められる現代において、人の手から生み出され、非効率性(多くの無駄)を許容する工芸こそが、それを手にした人の心を動かし、生活に潤いを与える一助になるのだと確信しています。
これまで皆さまから頂戴した温かい応援に心より感謝申し上げるとともに、引き続き皆さまからの叱咤激励ならびに率直なご意見・ご要望をお寄せくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
珠洲焼創炎会 会長 篠原 敬
■設立
1988年
■目的
珠洲焼の生産・販売に関する諸問題を研究・調査して珠洲焼の発展に寄与すること、並びに会員の陶芸に関する技術・知識の向上及び会員の連帯を図ることを目的に活動を行っていきます。
■会員数
37名(2025年4月現在)
■これまでの認定
日本工芸会正会員 … 田端和樹夫(紀の川窯)
石川県伝統工芸士 … 能村耕、中山達磨、則友尚信、坂本好二、山下祥子、小西栄一、坂本市郎、篠原敬、田端和樹夫、高畠和夫
珠洲焼創炎会の活動は次のとおりです。
珠洲焼まつりの開催
いしかわ伝統工芸フェアへの出展
珠洲市文化祭への参加
会員展の開催
珠洲古窯の研究
陶土の確保ならびに技能の研鑽
各種学習会の開催
後継者の育成
地域学習への講師派遣
備前焼をはじめ他産地との交流
バイヤーと陶工の橋渡し
珠洲焼資料館友の会との連携
珠洲市文化協会との連携
石川県並びに珠洲市との連携
石川県伝統産業推進協議会功労者表彰・奨励者表彰への推薦
石川県伝統産業優秀技術者表彰への推薦
石川県伝統工芸士の推薦
石川県伝統工芸専門技術者奨励金の申請
等
